プロ野球ゲームの想い出

平成生まれの私にとって、プロ野球ゲームは決して周囲で流行しているようなものはありませんでした。
その為、その存在を最初に知ったのは父がふいに買ってきた時です。
誕生日でもなく、クリスマスでもないただの平日の仕事後に、父は大きなプロ野球ゲームの箱を抱えて帰ってきました。
小学生だった私と弟は突然のプレゼントに驚き、喜々として父の周囲に集い使い方を訊ねました。
父は幼い頃にやったことがあるから、ととても楽しそうに教えてくれました。
まだ野球のルールがわからなかった私にも、優しく、わかりやすく教えてくれました。
いざ試合になると、父は大人げなく私たち兄弟を相手に本気で向かってきました。
やはり昔取った杵柄というのでしょうか、その時の父はとても強かったと今でもはっきり思い返せます。
まるで三人の子どもが遊んでいるような状況を見て、母は何も言わず、むしろ笑いながらプロ野球ゲームに混ざってきました。
家族四人でやったチーム戦、個人戦ともに白熱し、遊びに新旧はあれど楽しいことには変わりありません。
今思えば、仕事の多かった父が、私たち兄弟と話すきっかけになるだろうと買ってきたのかもしれません。
それでも、そのおかげでその日の我が家は、幸せな笑顔が広がりました。